皆さんこんにちは。
まだまだ寒い日が続きますが、少しずつ春の暖かさが感じられるようになってきましたね。
それと同時に、花粉症の方には目のかゆみ
止まらないくしゃみに悩まされる季節が、やって来ました。
私も花粉症ですので、今や生活必需品となったマスクの着用や手洗いうがいを徹底し、この辛い季節を乗り切っていきたいと思います。
さて、本日のテーマは『寝る前の食事は太る?』です。
このテーマについて、お話をしていきますね。
知りたい!寝る前の食事、ほんとに太る?
寝る前に食事をとると太る
だから、就寝2~3時間前までには、食事を終わらせた方がいい。
このような話を、皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれません。
私自身も聞いたことがありますし、このテーマを調べるまでは実際にそう思っていました。
果たして、これは真実なのでしょうか?
結論から話しますと
『寝る前の食事と、体重の増加』は、あまり関係性がないようです。
では、なぜ「寝る前の食事摂取=太る」という
思い込みが私たちにインプットされているのでしょうか?
人は、睡眠中もエネルギーを消費している
ひとつの理由として、起きている時に比べて睡眠時の基礎代謝の方が低下するであろう、という認識があるからだと思います。
『基礎代謝』とは、何もしなくても生きているだけで消費されるエネルギーのことです。全体の消費エネルギー量の約70%を占めると言われています。
人は、眠っている時もエネルギーを消費していたのでした。
また、骨格筋量が多いと基礎代謝は高くなります。
『やせるためには筋肉を増やす方が良い』と言われるのは
骨格筋量が増えることで基礎代謝があがり、消費されるエネルギー量が増えるからです。
では、起きている時と眠っている時では、基礎代謝の量は違うのでしょうか?
眠っている時は副交感神経が優位に働いているため、心拍数は低下し全身の骨格筋がゆるみます。そのため、睡眠時のエネルギー消費量は低いとされてきました。
しかしConwayら1)の研究では、睡眠時と起床時の基礎代謝量に
変わりはないという報告がありました。
1999年以降では日本でも、「基礎代謝量と眠っている時の代謝量は、同じと考えてよい」2)とされています。
睡眠時間が食欲に影響する
もうひとつの理由として、寝る前に摂取した食事が消費されず
体脂肪に変換される、という認識があるからだと思います。
これは、睡眠時間が5時間以下になることで、食欲増進ホルモンの上昇と食欲抑制ホルモンの低下が起こると考えられています。
7時間以上の睡眠をとることが、これらの問題を改善する可能性がある3)と述べています。
つまり、充分な睡眠時間の確保ができれば
寝る前に食べても、体重増加に直結する事はなさそうですね。
いつ食べたかより、何を食べたか
寝る何時間前に食べたか、よりも『摂取するエネルギー量』が関係していると、私は考えます。
前回お話しましたが、消費エネルギー量が摂取エネルギー量を上回ることで、体重は増加します。
つまり、いつ食べたかよりも『何をどのくらい食べたか』が重要であるというところに話は繋がりますね。
それでは、本日のお話はここまでになります。また次回お会いしましょう。
【参考文献】
1) JL Seale, JM Conway, Relationship between overnight energy expenditure and BMR measured in a room-sized calorimeter. European journal of clinical nutrition,(1999)53 , 107-111
2) 健康・栄養情報研究会編、第六次改定日本人の栄養所要量ー食事摂取基準ー、(1999)、第一出版、東京
3) Taheri et al. Short sleep duration is associated with reduced leptin, elevated ghrelin, and increased body mass index. PLoS Med.,(2004)1: 210-7
ウーシア鍼灸院 ゲストライター 北川千加良
【経歴】
2012年 - 管理栄養士免許取得。
2020年 - 愛知学院大学大学院 心身科学研究科 健康科学専攻 修士課程 修了。
現在は名古屋市内の病院で勤務。
【趣味】
筋トレ。週5日、1時間のトレーニングを5年間継続中です。